プログラマの需要は安定的にあるものの、今のところ将来性はあまりないと言われています。しかしIT業界の現状についてみてみると、IT企業ばかりが世界の時価総額トップランキングに並んでいます。つまりそれは「IT業界には価値が高いと評価されている企業が多い」ということを意味しますが、どの企業も慢性的な人手不足に悩んでいます。特に目立っているのは、プログラマやネットワークエンジニアなどの技術職です。人材が欲しくても確保できない企業は多く、一種の社会問題のようになっています。2030年には約50万人から80万人のIT人材が不足すると言われていますが、IT業界を目指す人の数は思ったように増えていません。「ブラック企業」「IT業界はきつい」など、IT業界に対する学生たちの印象はあまり良いものではないのが志望者の減少につながっているようです。IT市場自体は成長し続けているにもかかわらず、学生には避けられてしまうという悪循環が発生しているのです。短期的にこの状況を解消するのは難しいと考えられており、今後もIT業界の人手不足は続くと見込まれています。
深刻な人手不足の状況が続くIT業界では、ブラックなイメージを払拭すべく待遇の改善へと乗り出しています。2018年のプログラミング言語別ランキングによれば、1位と2位のプログラミング言語における年収の中央値が約600万円でした。年収600万円は営業職なら課長以上で達成可能な年収です。近年人気が上昇しつつあるPythonの平均年収は約570万円で、どの企業も好条件で中途採用しています。待遇改善が進めば注目度が高まり、安心して働ける業界であることがわかれば人材は増えていきます。こうした状況を考えると、これからIT業界を目指すことは以前ほど悪くない選択肢であると言えるでしょう。
人手不足が解消する見込みはまだ当分なく、2030年までに状況が完全に改善される可能性も低いです。プログラマを目指しその能力を身につけることができた人ならば、仕事がなくて困るようなことはまずないでしょう。現在は小学校からプログラミング教育がはじまっていますが、現場で活躍できるようになるのはまだ先のことです。その前に必要となってくるのは、すでにプログラミングの基礎を身につけている人材のマネジメントです。
ただし、プログラマの仕事がなくなる心配はないとしても、プログラマなら今後誰もが生き残れるとは限りません。変化が目まぐるしいIT業界では、一度学んだ技術を一生使い続けるというわけにはいきません。常に新しい情報やスキルを身につけて、その時代に求められていることに応えられるよう日頃から努力を続けていく必要があります。
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